「最近、親がめっきり外出しなくなったな…」「趣味だった散歩にも行きたがらない…」そんな親の変化に、あなたは気づいていますか?「年のせいだろう」と、見過ごしてしまいがちな、その小さなサイン。実は、それは見過ごしてはいけない、重要な危険信号かもしれません。
私の両親もそうでした。今思えば、本格的な症状が現れるずっと前から、その予兆は確かにあったのです。
この記事では、私の両親に実際に現れた「認知症の初期症状」について、そして「外出をしなくなった」という行動に隠された本当の意味について、私の後悔と共にお伝えします。
- 「外出が減る」「身なりに構わなくなる」は、認知症の初期症状(アパシー:意欲の低下)の可能性がある。
- 「年のせい」と片付けず、変化の裏にある理由(体調、不安、道がわからない等)を探ることが大切。
- 初期段階での専門家への相談が、その後の進行を緩やかにする鍵となる。
- 小さな変化に気づけるのは、一番近くにいる家族だけ。
「今日はやめとくわ」その一言に隠されたもの
2015年頃からでした。それまで活動的だった父と母が、家にこもりがちになったのです。特に母は、近所の父と散歩に行くのが日課でした。しかし、ある時から「今日は疲れたから」「天気が悪いから」と、何かと理由をつけて断るようになりました。
それ以外にも、何かにつけて家で寝ていることが多くなりました。好きだった韓流ドラマも見なくなり、父はベランダでぼーっとしているか、寝ているか。母は表情を変えずにテレビを眺めているか、寝ているか…。万年床の上でただゴロゴロしている時間が増えていきました。
当時の私は、それを単なる老化現象だと、深く考えていませんでした。しかし、今なら分かります。あれは、ただの老化ではありませんでした。認知症の初期症状である**「アパシー(自発性・意欲の低下)」**の始まりだったのです。
後に母は、幻覚の症状が出始めてからこう言いました。「外を歩いていると、知っている道なのに分からなくなる時があって怖いのよ」「階段を降りるのが怖いのよ」と。外出を嫌がっていたのは、体力の問題だけではなく、認知機能の低下による「不安」が原因だったのです。
今思えば…見過ごしていた危険信号リスト
「外出が減る」以外にも、今振り返れば「あれもそうだったのか」と思い当たる、両親の変化がありました。
- 身なりに構わなくなった:お洒落だった母が、毎日同じような服を着るようになった。
- 料理の味付けが変わった:母の作る味噌汁が、日によってしょっぱすぎたり、薄すぎたりするようになった。(味覚の異常)
- 同じことを何度も言う・聞く:「今日は年金が入ってくる日?」と、5分前に聞いたことをまた聞いてくる。
- 些細なことで怒りっぽくなった:穏やかだった父が、母に対して大声で文句を言ったり、時には暴力をふるったりするようになった。
これらはすべて、認知症の代表的な初期症状です。しかし、毎日顔を合わせていると、その「小さな変化」に気づくのは本当に難しいものです。
もし、あなたの親御さんにこれらのサインが一つでも見られたら、「年のせい」と決めつけずに、一度立ち止まって、じっくりと様子を見てあげてください。
まとめ
今回は、私の両親に現れた認知症の初期症状について、私の後悔と共にお話しました。
- 「年のせい」と片付けがちな行動の変化に、病気のサインが隠れていることがある。
- 意欲の低下(アパシー)は、見過ごされやすいが重要な初期症状の一つ。
- 小さな変化に気づき、早期に専門家へ相談することが、後悔しないための第一歩。
この記事が、あなたが親御さんの小さな変化に気づき、適切な対応を取るためのきっかけとなれば幸いです。


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