「また電話…もう、うんざりだ…」日に何十回も、時には深夜でも鳴り響く親からの着信。理由を尋ねても要領を得ず、同じ話を繰り返すだけ。そんな状況に、愛情よりも先に苛立ちと怒りで疲労が限界に達していませんか?
かつての私が、まさにそうでした。母を亡くし、1人で暮らさざるを得なかった父との生活は、鳴り止まない電話との闘いでもあったのです。
この記事では、私の父に現れた「電話をかけ続ける」という行動について、当時の私がどう追い詰められ、どう対処しようとして失敗したのか、そのリアルな体験をお伝えします。
- 頻繁な電話は、認知症による強い「不安」や「孤独」のサインかもしれない。
- 電話の理由を問いただすより、まずは安心させる一言が大切。
- 物理的に電話を隠すなどの対策は、本人の不安を煽り、逆効果になることがある。
- 介護者の精神的負担を減らすため、ショートステイなどのサービス利用も視野に入れる。
鳴り止まない電話、疲弊していく心
母が他界してから、父の認知症は一気に進行しました。一人暮らしという環境の変化が理解できなかったのでしょう。徘徊もそうでしたが、私を最も精神的に追い詰めたのは、この「父からの電話」でした。
父は、私に電話をかけてきては、こう訴えるのです。
「今どこか知らないところに連れてこられた」
「かあさんがどこかに行ってしまっていないんだよ…」
「いつ実家(九州地方)に帰れるんだ?」
私だけでなく、誰かれ構わず電話をかけていても、その認識すらないようでした。ただ携帯のボタンを押し、繋がった相手に支離滅裂な話を繰り返すのです。私が息子であることは分からず、兄だと思い込んで、いつも実家に戻る催促をしてきました。
電話魔の父に、私が試した間違った対応
今思えば完全に間違いでしたが、当時の私は冷静な判断力を失っていました。
- 強い口調で叱る
「もうかけてくるな!」「いい加減にしてくれ!」と怒鳴ってしまったことも一度や二度ではありません。しかし、父は電話を切った数秒後には、そのこと自体を忘れ、また電話をかけてくるのです。残るのは、自己嫌悪の連続だけでした。 - 携帯電話からの着信を拒否する
最終手段として、父からの着信を拒否し続けたこともあります。しかし、これは最悪の結果を招きました。唯一の外部との繋がりを断たれた父は、不安から家を飛び出してしまったのです(この話はまた別の記事で…)。
専門家から教わった、たった一つの「考え方」
後にケアマネージャーさんから教わったことで、私の心は少しだけ軽くなりました。
この行動は、認知症による強い「不安感」や「孤独感」の表れだったのです。そう理解できてから、私は電話の向こうの父に、少しだけ優しくなれた気がします。
まとめ
今回は、父の「電話をかけ続ける」という行動と、私の失敗談についてお話しました。
- 頻繁な電話は、病気による「不安」のサイン。
- 力ずくで止めさせようとするのは逆効果。
- 介護者だけで抱え込まず、ケアマネージャーなどに相談し、早めにあなたの精神的負担を減らす工夫を。
出口の見えない真っ暗なトンネルの中を、いつも目を離せない身内を連れて、永遠とも思える時間歩いているような気持ち、痛いほど分かります。どうか一人で頑張りすぎないでください。


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